私のトラウマ。
私と妹が幼かった頃、母の義兄の娘さんという人が一時的に我が家に来たことがあった。
その人は40歳を過ぎていて、痩せていて、浅黒い肌の喫煙者で、そして妊婦だった。
何ヶ月目かはわからないけど、服を着るとまだ妊婦とはっきりとはわからないくらい。
お姑さんと折り合いがあわずにイジメられるとかで我が家に避難してきたんだったかな。
その人が、裸族だった。肌着すらつけない、生まれたままの姿で家の中に居座っていた。
そのとき両親は仕事でいなかった。
痩せてるから胸はまな板みたいで、お腹だけがぽっこり出てて、それが写真で見た貧しい地域の子供みたいで気持ち悪かった。
お腹を撫でる青筋の浮いた手の甲と、鈍色の蛇の指輪が魔女みたいで気持ち悪かった。
妊婦独特の匂いかわからないけど、吐き気を催す甘ったるい匂いがしていて気持ち悪かった。
彼女は素っ裸のまま、私の一人用のリクライニングソファを占拠して、嫌な顔をして睨む私や妹を嫌らしい笑みを浮かべながら
「なぁに?羨ましいの?」と腹をなでながら言った。
私は妹を連れて部屋にこもって、母の職場に電話をかけてすべての事情を話した。
母はすぐに義兄に電話したみたいで、翌日には義兄が迎えに来て帰っていった。
私は自分のソファを捨てた。あのソファに座るくらいなら床で座ってご飯を食べたほうがましだった。
しかし子供にそんなことはさせられないと母が私に自分の椅子を与えて、母は台所で立ってご飯を食べた。
家族皆で食事をとるのが楽しみだったから、私のせいで母が立って1人で食べてるのを見るのは辛かった。
その出来事があってから、私は妊婦が苦手になった。
一昨年妹が結婚して妊娠して出産して、そのときの妹のお腹は見ていて平気だったし、妹からはあの嫌な甘ったるい匂いはしなかった。
だけど、妹は当然私達の前で全裸になんかなったりしない。
そのせいで妊婦の嫌なイメージは上書きされなくて、私はいまだ子供が作れないでいる。
自分が妊娠したら、自分の全裸は絶対に見えてしまうから、それを思うと怖くて仕方ない。
メンタルヘルスでこの話をしたとき、「酷い性被害にあったんだね」と言われて、びっくりした。
あぁ、こういうのも性被害になるんだと、私が傷ついたりしたことは何も間違っちゃいないんだと思うと、自分が異常だと思ってた気持ちが少しだけ緩んだ気がする。
それでもやっぱり妊婦は怖いけど。
本日のピックアップ(=゚ω゚)ノ
ガリなら甘ったるい臭いはケトン臭だったのかもね
なるほど、あんまりよくないんでしたっけ?ケトン
今思い出しても吐きそう
>>970
体が飢餓状態になると出る物質なんだよね、ケトン
ただそのトラウマ原因の人の臭いに関しては、ヤニ臭さとか別の原因も多分にあるのかも
自分は子持ちだけど、妊娠後期はお腹や鏡を見て「私、別の生き物になったみたいだな……」と思ってた
特にトラウマなくてもその外見に慣れるかどうかは別問題だと思う程度に、体型については見た時の衝撃が結構大きい
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