『ママ社員に優しく。女性に優しく』をスローガンにしてる会社で働いてる俺。だが、幹部候補になっていた男性社員達が『この会社を辞める！』と言い出して・・

「いきいきママ」という概念が話題になっているらしい
いわゆる遠慮することなく自分自身のペースで産休を取ったり育休を取ったり
子供の体調で突発的に有給を取りつつ仕事をするママの事らしい

一見するとそんな人が増えるといいなと思える話だが、俺が昔いた会社は
まさに「ママ社員に優しく」「女性に優しく」をスローガンにして、子育て支援関連や女性活躍関連の助成金を
もらって女性に優しい会社を自称してた

確かに女性『には』優しかった
子育て中の女性社員や独身女性社員は産休・育休・有給はフルに取得できるし
管理職から咎められる事はないし残業は禁止で夜勤・休日出勤も免除されていた
そんな環境であるため入社後に産休を取得する新卒や育休を取る女性社員や
子供関連で前日に有給を取るママ社員が多かった
おーぷんでもよく見かける育児と仕事の両立が難しくて辛い、なんて人から見たら夢の様な環境かも知れない。

ちなみに、男性社員の場合は子持ちであれば育休取得のみフルで取得可能だった

そんな子持ち夫婦には夢のような会社は、社内で優秀と言われ
幹部候補になっていた男性社員が３人辞める所から崩壊が始まった

その３人は俺と同じ独身の男性社員だった
仕事が出来るゆえに周りから助言を求められることが多く
業務の処理能力も高いため社内で一番の業務量を処理していた

もちろん男性社員であるため、有給の取得は管理職の顔を窺いながら取ろうとするも
「いきいきママ」で空いた穴を埋める必要があるため口頭で却下されていた
残業・夜勤・休日出勤もあり振替で休めるにしても
スケジュールを会社が勝手に決めて2日以上の連休取得も口頭で注意されるような状態だった

更に、子持ち男性社員の育休取得で空いた穴を埋めるために、有給取得さえ許されない時期もあった
男性だからと体調が多少悪くても休むと怒鳴られるから、出社させられる事もあった
風邪で高熱で休んだ社員に対し、「いきいきママ」がいきいきして穴が空いたからと、鬼電をしている上司も見た事がある
彼らの給与が他の社員より高かったらまだ救いがあったのかも知れない
しかし、彼らの給料は「いきいきママ」や平社員とほぼ変わらなかった

幹部候補になっていた男性社員が３人辞める前にこんな事を言っていた
「女性ばかり優遇して俺らの事を評価しない会社は絶対おかしい」
「なんで周りより忙しいのに給与が上がらないのか」
「そもそも休みをとる余裕がないなら女に優しくしてる場合じゃないだろ」

俺としては同意する他無かった
彼らは１ヶ月の有給消化後に退職した
同僚だっただけに寂しかった

その影響はまず業務の進行に出てきた
つまり処理能力が落ちても降ってくる業務量は変わらないため
残業時間が増えた最高で23時過ぎまで連日残業していたと思う（男性社員限定）

それでも「いきいきママ」で空いた穴を埋められなくなり
子持ちの男性社員が育休の打ち切りや短縮と言う形で犠牲になった

そして助成金の関係上、女性社員に業務を振り分けられないため
男性社員の業務量がうなぎ上りで増えたと同時に、影で男性社員から女性社員への差別的呪詛も増えてきた
そりゃ仕方無い
忙しさは段違いなのに給料はマジで殆ど変わらないんだもの
金額で言うと同期の女性とは数千円程度の差だったと思う
そんな状態だからか業務ミスも増え、取引先からクレームが来てしまうこともあった
そのミスをいきいきしている女性社員から責められ、怒鳴り合いになった事もあった

そして今年、入った新卒の研修中に、女性の管理職が新卒の女性社員に
「女性に優しい会社だから大変になったら男性社員に遠慮なく仕事を投げていいよ」と言うのを聞いてしまった

この段階で俺も心が折れた
管理職まで、そんな認識なんだと……
この会社にいても上がり目も報いも無いので、すぐに辞めた

「いきいきママ」とか「女性に優しく」なんて言うのは、会社による男性差別でしかない
あれから会社はどうなったか知り合いに聞いたら、俺が辞めた後も退職する男性社員が多く
ついに会社も、女性社員や「いきいきママ」優遇を撤廃し男性社員と同じ待遇にしようとしたらしいが
女性管理職と女性社員が一丸となって抵抗して白紙になったようだ

今は男性管理職が男性社員に混じって、マネジメント以外の業務をしており
社長にも実情を報告しているようだが、報告書の数字を見る限り変化はないと言う理由で変わる気配はないらしい
こういう経験があったからか、今は普通の会社で働けているけど
必要以上に子どもがいる社員に優しくしようと思えなくなってしまった
少なくとも、自分の見を無理矢理削りたくは無いし、削らされる様ならまた辞めるだろう

恐らくあの会社は「いきいきママ」や女性優遇で業務が崩壊していく、いや既にしていると思うんだけど
会社自体が潰れたら、子持ちの男性社員や「いきいきママ」達が一番被害を被ると言うのに
どうして自分達の首を締める真似が出来るのか分からない

でもこんな風に、子持ちと独身、迷惑をかけてしまう側とかけられてしまう側が
憎み合う様な仕組みが続くと、出生率なんて改善しないよなぁとも思ってしまうし
本当に不毛でしか無いと思う

じゃあ「いきいきママ」の為に男性社員を犠牲にし続けるのか？
「いきいきママ」をそもそもしなくても良い様に、男性社員の給料だけを上げるのか？
どちらも無理だろうし、解決が出来ない

自分一人が日本の将来に絶望したって意味無いんだけど、やっぱりキツイよなぁって思う

＞ついに会社も、女性社員や「いきいきママ」優遇を撤廃し男性社員と同じ待遇にしようとしたらしいが

外野だから笑えるけど、なんでそこでそうなるｗ
単に男性社員（というか負荷が高い人）の待遇を上げればいいだけなのに

どんな分野でも、聞こえのいい理想論はかならず土台を支えて汗水垂らしている人たちがいるんだよね
そこをちゃんとケアしないとうまくいくわけないのにね