嘔吐話注意
半年前に30代ぐらいの女性が一人中途で入社した。
初日から不穏な気配はあった。
猫背と、無造作に跳ねた、というよりもっさりした髪と明らかにサイズ合ってないパツンパツンのスーツが印象的だった。
俯いてるのに目線はあっちこっちギョロギョロ見つめて忙しなかった。
技術組の中途入職者は机とパソコンと課題の書かれた紙を与えられて事務室の隅で一週間ほど一人で研修をする。たまに人事や社長からのレクチャーが入る。
この人は初日はずっと事務室に放置されていた。
隣で見てた限り、就業時間中もパソコンや紙を見てる時間より髪や顔を掻いたりぼーっとしてたり、スマホでツイッター見てる時間のほうが長かった。
一時間ほど居眠りもしてた。
貧乏ゆすりもすごかった。
何も食べてないはずなのに口をくちゃくちゃさせていた
卓上の抜け毛とフケ?がすごかった
帰りに挨拶をすると目を泳がせながらすごい小声で挨拶を返して半分駆け足みたいな速度で帰っていった
本日のピックアップ(=゚ω゚)ノ
次の日の研修では会議室で社長のレクチャーを受けていた
正直(これ推定30代に教えることか??)と感じるような挨拶、謙譲語や尊敬語の使い方、メールの本文や冒頭の書き方、名刺の渡し方、はたまた姿勢から声の出し方まで丁寧にレクチャーされていた。
レクチャーが進んで「企業の生産性を高めるには?」みたいな社長対女性社員のディベートになった際、突如、女性は「お前いきなりどうした???」って聞きたくなるぐらい雰囲気変わってにっこりしてため息を吐いて
「削れるとこ、あります。子持ちです。」
と断言した
そのまま目を爛々にして社長を凝視しながら「子供が熱出して休んだとか、子供を持つ親の都合で独身に苦労が回ってくる。子持ちは生産性を下げている。これは社会だけでなく真面目に働きたい女性の足も引っ張っている」
と、ちょっとさっきまでとは考えられないぐらい堂々とした身振り手振りで答えた。
あまりの豹変に「まさかこれ言うために温めてたの?」と思った
それを聞いた社長、別に怒ってる感じじゃなくてすごくフランクに
「だからってさ、せーので人類滅亡するわけじゃないんだし、それにどんなに技術が進歩して人間がいらなくなってもその技術をメンテする人材は必要なんだからさ、今後も生きるつもりならどうしても誰かのお子さんや若
い子の世話になるんだからさ、最低限妊婦さんやお子さんは大事にしないと。これは会社の利益とか以前の話だよ。社会人や人間としての最低限のモラル」
みたいなことを言った
すると女性社員、糸が切れるように突然元の様子に戻って、顔が髪で完全に隠れるぐらいの傾斜で俯いて
「ハッハッハッハッハッハッ」
と荒く浅い息を10秒ほど繰り返しはじめた
そしていきなり嘔吐した
誰も何も言わなかった。その場にいた俺と社長含めて四人で黙々とゲロ掃除した。
幸い被害はフローリングの床と机だけだった
当該女性社員は椅子に座ったまま片付けもせずぼんやりしていた
未開封のジュースをあげたら「アッアッどうも」と目も合わせず受け取った
昼休みが明けて戻ってきたら女性はもういなかった。荷物もなかった。
次の日もその次の日も来なかった。
そのまま女性の机とパソコンは片付けられて、女性の存在は忘れ去られた。
この前飲み会で社長に
「そういえば6月の初めぐらいに技術部で入ってきた女性って覚えてますか?あれなんだったんですか?」
と尋ねたところ、ゲロ騒動直後に早退して、その後メールでその日付けで自分から申し出て退職したらしい
学生バイトのバックれならわかるがアラサー中途の正社員が二日で退職とは大したもんだ
30代にメールの書き方や名刺の渡し方まで教える企業なんて我ながらまあまあホワイトだと思うんだが
この記事へのコメント
たぶん障害枠採用だったんじゃないの
小さな会社だと障がい者採用しない場合の罰金もそこそこ負担だし
試してみたらダメだったということかと
ちゃんとした会社だなあ