いじめられっ子の俺の唯一の癒しは近所の野良猫を可愛がること。そんな気弱な俺が激怒する事件が起きた！！

夜勤明け頭でカキコ
高校時代に気弱で身長１６５だった俺はクラスのＤＱＮ達にカモにされてた。
半日常的にパシリ＆バイト代入った次の日にカツアゲみたいなのが主。直接的な暴力はあんまり無かったんだけど
それでもプライドやら何やらのデカい格闘技番組が放送された日の後にはサンドバック的な扱いを受けてた。
正直何度もやり返そうと思ったり先生に相談しようとしたんだけど、倍返しされるのが怖かったからできんかった。
友達もいたにはいたけど、まあ体張って助けてくれるような仲じゃなかった。俺も同じ立場だったらそうしてたと思う。
そんな俺の唯一といっていい癒しが、ウチの近所のコンビニに居着いてる野良猫だった。
命名した名前はタマキン。理由は余りにも立派なお稲荷さん袋してたから。
人懐こいネコで、ほぼ日課のようにコンビニに行っては店のバイトさんや店長さんと一緒になって猫缶買ってあげてたりした。
客商売のお店だから店長さんも少し扱いに困ってたんだけど、すごいネコ好きだから保健所にも連絡できなかったそうな。
いつも学校で嫌な思いしたらそこのコンビニに行って、仰向けに寝転がったタマキンのお稲荷さんをフカフカ突かせてもらうと何か元気が出てた。
そんなある日、県外からも人が来る地元の花火大会の日がやってきた。
かなり人も集まって賑やかになるんだけど、一緒に行く友達もいないし、俺はいつもみたいにタマキンにご飯を買ってあげようと出かけた。
コンビニの駐車場は一杯で、原付暴走族みたいな趣味の悪い二輪車が何台もとまってた。
その時に嫌な予感がしたんだけど、案の定というかタマキンの姿が無かった。

ネコ缶買って外に出てしばらく待っても姿を見せなくて、人が多くなったから隠れてるだけならいいんだけどって
心配してたら、コンビニの裏にある町工場？の方から大勢のハシャいだ声が聞こえた。
多分このコンビニにとめてある原付集団だろうなって思いながらタマキンを待ってると、聞き覚えのある鳴き声が聞こえた気がした。
ヒヤッとして行ってみると、７、８人以上はいる集団がたむろしてて、開けっぱなしの収納場所の柱を囲んでワイワイやってる。
柱の根本に尻尾をタワシにして丸まったタマキンがいて、そいつらがゲラゲラ笑いながら空き缶やらペットボトルをタマキンに向かって振りかぶって投げつけてるのを見て
一瞬で目の前が真っ赤になった。この時点で泣いてたかもしれない。
タマキンが殺される！と思ったら怖い云々より純粋に殺意が沸いてきて、全力で走って納屋の屋根下に積まれてた鉄パイプ引っ掴んで、連中に突っ込んでいった。
後のことはよく覚えてない。とにかく喚いて暴れまくった気がする。何度も殴られた覚えがあるけど全然痛くなかったのは覚えてる。
気が付いたら俺の周りに３人呻きながら倒れてて、テメーふざけんなみたいなこと言ってた。
でも俺はそんなことよりタマキンのことが心配で、あんだけの騒ぎがあったのにまだ全然動こうとしないタマキンを抱っこしてすぐ近くの動物病院に駆け込んだ。
抱き上げるために近づいた時、いつもなら人懐こいタマキンが弱々しくシャーッて威嚇してきたのが凄く可愛そうでショックだった。

私怨

もう営業時間は過ぎてたけど、獣医さんがまだ残ってくれていて、タマキンを診せるとすぐに手術しないと危ないって言われた時には目の前が真っ暗になった。
幸いタマキンは助かったけど、手術をしている間の４、５時間はこっちも生きた心地がしなかった。
血だまりが膨れ上がって、もう少しで内臓が破裂しかかってたらしい。
持ち合わせなんてなかったから獣医さんに住所と電話番号諸々を告げて、麻酔で眠ってる包帯姿のタマキンの頭を撫でて家に帰った。
帰り道にコンビニにパトカーと警察が何人もいたけど、ぼんやりしててスルーした。家に帰ってから、あれは俺を探してたのかなって思った。
夜、布団に入って寝ようとしたら急に怖くなって泣いた。俺はとんでもないことをしたんじゃないかと。
誰かﾀﾋんでたらどうしようって、ガタガタ震えた。連中が誰だかわからなかったけど仕返しも怖かった。
休み明けに学校に行くと俺をカモにしてたＤＱＮの内何人かが休みだった。噂だと対立グループの闇討ちにあって病院送りにされたとか。
あの時は必至すぎて気づかなかったけど、もしかしたらあの中の何人のうちの一人だったかもしれない。
でも結局、警察にも学校にも俺のしたことはバレなかった。

一ヶ月くらいずっと必要以上の外出は控えて大人しく過ごしてたんだけど、どうしても気になってコンビニに行ってみたら、店長さんがこんなことがあったよって教えてくれた。
その話では不良グループ数人対数人の大乱闘があったって話になってたらしい。
もしかしたらその日に買い物に来た俺のことに気付いてそう警察に報告してくれたのかもしれない。
タマキンは元気にしてるって報告したら、嬉しそうに良かったって言ってくれた。
そのことと関係あるかは謎だけど、ＤＱＮ達は暴力事件で停学喰らった後に復学しても、俺に手出しをしなくなった。
遠巻きに何か言われてる時は殺されるかもって怯えてたけど、結局卒業まで何もなく終わった。
不良のメンツを気にしたんじゃないかって、このことを大学になって友達にぽろっと話した時に言われた。
タマキンの手術代は１７万だったけど、それはバイト代で分割して払った。
二ヶ月くらいして退院できたタマキンは、説得に説得を重ねてウチで飼えることになった。
初めは人間不信になって俺が近づいてもシャーッて警戒し通しだったけど、半年くらいしたら昔のタマキンみたくお稲荷さんをふかふかさせてくれるようになった。
今ではご近所の目もあるからタマキンを改名してミケランジェロとして一緒に暮らしてる。
表沙汰になったら多分俺も終わりだったけど、その後の高校時代をカモられず平穏に過ごせたのもミケランのお蔭かもしれないってフカフカしながら今でも思うよ。

タマキンが元気になってよかった。

このスレって創作発表の場ってどっかで紹介されてんの？

何この創作劇場、後味悪いわ

創作でもいいやと初めて思った

てめえ俺のタマキンに何するんだゴラアアアア!!!!!俺の俺のタマキーーーーン!!!!!
ま、手出しはしたくなくなるわな

まあ大事なタマキンを嬲られたら怒るわな