数日前、仕事帰りに吉野屋で軽く一杯やっていた。
店内には、俺と同じ様な仕事帰りっぽいくたびれたサラリーマン数人と、
同様にほどほど仕事でくたびれた様な(失礼だけど)OLらしき女性二人組、
テーブル席には年齢層がバラバラなサラリーマンのグループと、何故か(失礼ながら)あまり裕福そうでは無い家族連れがさきに座っていた。
翌日はテレワークで、ここ最近は残業続きで疲れていたから、たまの自分へのご褒美として
牛丼とサラダをつまみながらチビチビ飲んでいたら、後から茶髪のちょっとチャラそうな若いサラリーマン風の二人組が入ってきた。
チャラい二人組が席に座って程なくして、対面の席に座っていた女性二人組を見て、何故かクスクスと密かに…と本人達は思っていたのかも知れないが、
俺にも分かるぐらい笑っていた、当然本人達にも気づかれていた様子だった。
「おいおい…こんな時期に、生娘があれ漬けにされにきてるよ」「タイミング悪くね?バカなの?w」みたいな事を言っていた。
女性達は箸を進める手が止まって、かと言って言い返せもせず下を向いていた。
さすがに見ていて辛く、可哀相になったので、チャラいリーマン達に向かって
「ちょっと、食事中ですし、そういう事を言うのは止めましょうよ。失礼ですよ」
と言った。
逆ギレされたら嫌だなーとか思ってたけど、意外とリーマン達は「あっ、すみません…」みたいな形で、先に何故か俺に、次に女性達に頭を下げて
慌てた様子で注文したメニューにはロクに手をつけないまま店を出て行った。
相手がヘタレで良かった、と思い、再びビールを飲み始めた。
持ってきた店員さん(ちょっと顔なじみみたいになっている人)に「先程はありがとうございました」とか言われて、
「いや、大丈夫です」なんて言っちゃったりしていた。女性達はいつの間にか店から姿を消していた。
程なくして、40代ぐらいの警察官と20代ぐらいの警察官が店内に入ってきた。
制服で店に入るものなのか、と思っていたら、店員さんに声をかけて何かを話していた。
若い警察官はその様子を見つつ外に再び出ていった。
何か事件でもあったの?と店内が少し不穏な雰囲気になっていると、若い警察官が再び店内に戻ってきて、俺に声をかけてきた。
「あなた、先程この店で女性に声をかけて、嫌がらせしましたよね?」
と。
は?えっ?となって、明らかに焦って挙動不審な様子になったと思う。
「いや…そんな事は、してないです、けど……」としどろもどろに否定するのが精一杯だった。
「でも被害者の方が卑猥な言葉をかけられた、って証言しているんですけどねぇ」と若い警察官は言った。
いつの間にか中年の警察官が後ろに来ており「とりあえずー、交番で話しましょうか?」と冷たく言ってきた。
本日のピックアップ(=゚ω゚)ノ
助けを求めて思わず辺りを見回したら、先程話していた顔なじみの店員がさすがに助け舟を出してくれた。
「いえいえ、そのお客さんは、変な事を言っていたお客さんに注意してくれた方ですよ?何か間違えてません?」
と警察官に言って、まだ店内にいた家族連れのガタイの良いお父さんが
「さっきのアレなら、その兄ちゃんは変な奴に注意してた方だぜ。なぁー違うよな?」
って奥さんの方にも聞いて
「そうだよねー…違うよねー…二人組だったしー…」
と証言してくれた。
お父さんの方が店内をグルッと見回すと、残っていた客も軽く会釈する様な形で同意するように頷いてくれた。
警察の方もここまで証言があると、別人だと判断してくれたのか「誤解があった様で…申し訳ありません」と言って、
中年の警察官は再び店員さんに事情を聞きに戻った。
俺は心底ホッとした……けど、再度店外に出た若い警察官が、誰かに話しかけているのが見えた。
薄暗いドアガラス越しだったが、恐らく先程店にいた女性達だった。
そして、中年の警察官が店員さんに「小太りでメガネの人に…言われたって…聞いたんですけどねぇ…」と、
店内BGMで途切れがちだったがそこだけはハッキリと聞こえた、聞こえてしまった。
小太りでメガネの客は、店内では俺だけだった。
そして女性達にセクハラしていた二人組は、小太りでもメガネですら無かった。
冴えない外見だし、今回に限らず、親切心をかけたら嫌な思いをする事は何度もあった。
今回もそうで、親切…という程でも無いけど、思い切り裏切られた形だった。
案の定とか、やっぱりなーとは思いつつ、さすがに数日は凹む。
色々辛いし、何か生きるのが息苦しいなって思ってしまう。
中間オススメ(*ノ・ω・)ノ⌒。ドゾ
ドンマイ
貴方が頑張って注意してくれたから、他の人達も貴方が正しいと口添え出来たんだと思うよ
お疲れ様です
この記事へのコメント
あなたは良い人です。
それだけは言っておきます。