昔、自分が勤めていた老健であった復讐
老健っていうのは、リハビリ付きの老人ホームみたいなやつ。
ある時、脳梗塞の後遺症で麻痺が残った60代後半のAさんという男性が入所してきた
Aさんの奥さんはだいぶ前に病気で亡くなっており、娘がいるけど奥さんの連れ子で、今はちょっと疎遠になっている。
娘さんは一応キーパーソンにはなってくれたけど、契約の時以降は
面会にも来ないし、電話連絡の時も割と事務的だった。(それでも、KPになってくれるだけありがたいけどね、職員としては)
コロナ前のことで、同室者は頻繁に面会者がくる中、Aさんは寂しそうだった。
そんなある日のこと、談話室に居たAさんが、たまたまそこに来た面会客をまじまじと見て、大声をあげた
「〇子? もしかして、〇子じゃないか?!」
言われた面会客は「え、確かに私、〇子ですけど…」と面食らってたけど、次の瞬間に「…え、えっ もしかしてパパ?」と。
(このへん、自分は直接見てなくて、あとで他の職員から聞いた。多少の盛りあると思う)
Aさんが「なんでおまえが、ここに居るんだ?」と聞くと
〇子さんは「あ、あの、私はお父さんの面会に…」
Aさんは大喜びで「そうか!面会に来てくれたのか!」と感激したけど
〇子さんは「ち、ちがうちがう」と。
つづく
本日のピックアップ(=゚ω゚)ノ
とそこに、同じフロアの入所者Bさん(70代前半男性 右大腿骨転子部骨折後人工骨頭置換術済 リハビリ目的で3日前から入所)が
車いす自走でクインクインとやってきて、
「お~ 〇子ちゃ~ん 来てくれたのぉ」と。〇子さんも笑顔で
「お父さーん! どう?大丈夫?」
要するに、Aさんの元奥さんが再婚した相手が、偶然同じ施設に入所してきて
Aさんの娘さんは、Aさんではなく育ての親の面会に来てた
ちなみに元奥さんのほうも少し離れた所に居たけど、Aさんこちらのほうは全然気が付かなかった
その後、Aさんの元奥さんと娘さん、あと、娘さんの旦那さんや子供たちもしょっちゅう面会に来てた
談話室で和気あいあい団らんしたり、リハビリを見学したり。
その老健は在宅復帰超強化型で、がっつりリハビリして家に戻るのを目指すんだけど
家族みんなで「頑張って、早く家に帰ろう!」と励ましてた
いっぽうのAさんは、リハビリでADLが上がっても、介護者いないから家に戻せないなぁ 困ったなって状況
あともう一回続く
Aさんが、〇子さんに話しかけることもあったけど
〇子さんは常に冷たい態度だった
一度、Aさんが〇子さんの子供たちに「俺がじいちゃんだ」とみたいなことを言ったらしく
その時は〇子さんはえらい剣幕で、子供たちに「違うからね!」と言い、それ以後は職員が注意して、Bさん一家が来たときはAさんを引き離すようにしていた
それでもAさんは、わざわざ出てきてBさん一家を恨めしそうに見ていた
一度、Aさんが〇子さんに、くってかかっている場面に出くわしたことがある
「恨まれるのは仕方ないが、お前は血を分けた実の娘じゃないか
父親にここまで寂しい辛い思いをさせて平気なのか、それでも人間か」みたいなことを言ってた
そしたら〇子さん
「その血を分けた娘の親友の母親と不倫をして、娘を捨てたくせに。
授業参観に、私ではなくあの子の父親として学校に来たけど
その時私がどんな気持ちになったか想像できる?
娘にそこまで寂しい辛い思いをさせて平気だったの?それでも人間?」
Aさんは、青ざめて「ぐぅ」って変な声出して黙ったので
自分が「脳梗塞再発したら怖いから行きましょうね~」って部屋に連れて行ってやった
まー単にAさんの自業自得なんだけどね、〇子さんの復讐でもあった
うわ、読み返したら分かりにくい文章になってたごめん
Aさんの元奥さんと娘の〇子さんはしょっちゅう面会に来てたけど
それはAさんのためでなく、Bさんのためってことね。
談話室でBさんを取り囲んで和気あいあい団らんしてたり
Bさんのリハビリを見学して、孫ががんばえ~って応援したり。
余談だけど、今自分は別の施設で働いてるけど
コロナ禍のせいで家族に面会できず、認知症が進む人が多い反面
もともと面会者がほとんど居なかった人は
逆に妙に元気になってきて、ちょっと切ない。自分は老後こっちになりそうだなーって
中間オススメ(*ノ・ω・)ノ⌒。ドゾ
取り敢えず良くキーパーソンになってくれたな奥さんの連れ子(推定○子の元親友)…
この記事へのコメント
どちらの子供も辛い思いしたんだろうな…
不倫はやはり最低だ。